最近サスケはボク以外の人ともよく話すようになった。
もちろんそれは良いことで・・・うん。まぁ良いことなんだけど。
でもさ。
やっぱりボクとしてはサスケの特別でありたいから。
ボクのこと、誰といても考えてて欲しいなぁ〜なんて我侭なこと考えちゃうワケなんだよね。
ねぇ、サスケは今、誰のことを考えてる?


げんごのうりょく


鬼目の狂たちと行動するようになってから大分日が過ぎた。
時間がたつにつれて、他の奴らと話す機会も増えるわけで・・・まぁそれはいいんだけど。
最近幸村と二人になる時間が減ったかな〜なんて、思う。
「クソジャリ!」
「あ?なんだよバカトラ。」
「あっちのほうでゆやはんたちが温泉につかってんねん!」
「は?だから何なんだよ?」
「話のわからんやっちゃな!わいはちょっと見てくるさかい・・!」
こいつ・・・何度も半殺しにされてるにもかかわらずまた覗きにいくつもりなのか・・・。
ここまでくると尊敬に値する馬鹿だな。
「お前・・・本当に馬鹿だな。」
思わず本当の事を言ってしまう。
まぁ、本当のことなんだから構わないだろう。
「なっ!?覗きは男のロマンやろっ!?そこに風呂があったら覗く!覗かんかったら男やない!!」
そんなことで男じゃないと判断されたらたまったもんじゃない。
流石真性馬鹿の言うことは違うな。
「くっだらねぇー。」
「なんやとぉっ!?お前には心がないんかっ!?」
「はぁっ!?あるに決まってんだろ!?」
「いいや!無い!覗きを馬鹿にするなんて心がない証拠や!!」
「・・・だから・・・なんでそうなんだよ・・・」
「クソジャリ・・・お前・・・好きな子の一人もいないんやろ!?」
「・・・。」
子?
「お!?無言かいな!やっぱりクソジャリには心がないんやな〜」
子なのかアレは・・・?
『サスケにはいるよね〜vv』
って、どこからともなく幸村の声が・・・。
空耳じゃ、ないよな・・・?
そう思って幸村達の方を見てみる。
でも幸村は普通に鬼目達と酒を飲んで大騒ぎしている。
やはり空耳か?
「やっぱり男は恋の一つもせんとあかん!」
『サスケはしてるよねv』
「・・・え?」
「ん?どうしたんや?」
「あ、いや、何でもない・・・」
「そうか?・・・せやからな!男は恋をして、荒波にもまれもまれて大人になるんやで!?」
「・・・お前はいつまでたってもガキだけどな・・・」
「な、なんやとぉっ!?」
『もうサスケ・・・そんなこと言っちゃ駄目だよ〜』
何!?
思わずもう一度幸村を振り返る。
けれど、別段変わった様子はない。
何なんだ?
「・・・?どうした?さっきからおかしいで?」
「あ・・・いや・・・何か聞こえなかったか?」
「へ?何も聞こえんけど?」
「そ・・そうか・・・」
やっぱりオレの空耳なのか?
それにしてははっきりと聞こえたような・・・
『ふふ。さっきからボクのこと見てるね。』
「は!?」
「え!?何や!?」
「なんでもないッ!!」
「そうか・・・?具合でも悪いんとちゃうか?」
これはきっと空耳なんかじゃない。
だとすると・・・。
「いや。大丈夫だ・・・。」
『ねぇ・・・サスケは平気なの?』
「何がだよ・・」
「は?何言ってん?」
「え?あ、悪い、何でもない。」
『ほら、最近二人でいる時間、減ったじゃない・・・サスケは、平気なの?』
「え・・・」
「・・・クソジャリ?ほんまに大丈夫か?」
「あ・・・あぁ・・・」
『ボクは寂しいな・・・』
「な、何言ってんだよ・・・!」
「は?何も言ってへんで?」
『ねぇ・・・サスケはボクのこと好き?』
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
あの馬鹿・・・
そんなことをこんなとこで言ってんじゃねぇよ!!
「クソジャリ?どうしたん?顔真っ赤やで?」
「な・・・なんでもない・・・」
『ボクはサスケのこと・・・大好きだよ・・・?』
「っ!!!!!」
「なんでもないいうこたないやろ?ほんまに顔真っ赤やで?」
「本当に平気だって・・・」
『サスケのこと、誰よりも・・・愛してる・・・』
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっっっっっ!!!!!!!!」
「サスケ・・・?耳まで真っ赤やで・・?熱でもあるんとちゃうか?」
『ね・・・サスケは・・・?』
「・・・幸村はーん!このジャリ熱っぽいみたいなんやけど・・・!」
そう言いながらバカトラはオレを幸村の所へ引っ張っていく。
あぁ、もうホント馬鹿だ。バカトラ。
もうヤダ。
「ホント?サスケ・・・大丈夫!?」
しらじらしいこと言ってんじゃねぇ!!
「ホントだ〜顔赤いね!」
なんて言いながら、幸村はオレの額に自分の額をくっつける。
その顔には、微笑みをたたえながら。
「・・・。」
「ふふ・・・ねぇサスケ・・・返事は?」
「・・・。」
「サスケ・・・?」
「馬鹿幸村・・」
「えー?ひどーい!」
『そんなの・・・決まってんだろ・・・』
「ん?」
『・・・すき・・だ・・・よ』
「サスケ〜っっっvvvvvボクも大好きだよ〜っっっ!!!」
「うわーっ!?抱きつくなぁぁぁああっっっっ!!!!!!」


今君はボクのこと考えてる。
それって、これ以上ない、幸せじゃない?



「・・・・・幸村様・・・・」
ここに、幸村に仕え、幸村の影となり働く真田十勇士が一人、霧隠才蔵の姿があった。
「いつも我々に内密な命令の際にお使いになってる話法、常人には聞こえませんが・・・」
そこまで言うと、才蔵は大きな溜め息をつく。
そしてその場にいる他の真田十勇士達を見渡す。
「我々十勇士には、全部聞こえてるんですよ・・・・」
才蔵の頬を熱く光るものが一筋、それは才蔵の頬を流れ、静かに夜の闇の中へと消えていった。

















*****
トラさんごめんなさい。(汗)
ちなみにこのネタは、KYOのファンブックP169で「幸村は十勇士と声を出さずに話をしているけど、どうやってるの?」
という質問に対し、幸村が「真田の人間しにかわからない話法なんだ。普通の人には聞こえないよ」と答えているのを見て、
『それなら他の人に聞かれずに幸村とサスケは密な会話をできるんだ!!』と思ったので・・・書いてみました。(汗)
きっと彼らは・・・してます!!
いつにも増してアレな感じですが書いていて楽しかったですv


2004.07.17UP



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