「んっ。コンラッド・・」

まだ熱のひききらない体をベッドにあずけて。

汗ばむ額に口づけると、ユーリは幸せそうに微笑んだ。

「体、辛くありませんか?」

「へーき」

言ってまた微笑むと、ユーリは俺の首に手をまわしてキスをねだる。

誘われるがままにその紅い唇に口づけた。

「ん・・ふ・・っ」

ちゅっと音をたてて二つの唇が離れる。

「ユーリ」

愛しげにその名を呼ぶ。

しかしユーリは呼び掛けには答えることをせずに今度は俺の首筋に口づけてくる。

ちりりとした痛みが走り、痕がついたことを知った。



情事の後、ユーリは必ず俺にキスをする。

唇に。

首筋に。

胸元に。

手に。

体中にキスをする。




愛しげに俺の指に口づけているユーリの頬を、あいているほうの手で撫でる。

ユーリの肌の感触を楽しみながら、その綺麗な顔を眺めた。

上気して紅く染まる頬、伏せられた瞳を覆う長い睫。

そしてチロチロと俺の指を舐める紅い舌。

そのすべてが俺の情欲に火をつけるんだ。

「ユーリ。そんなことをされるとまたしたくなってしまうんですが・・」

「やだよ。もう疲れたもん。」

間髪いれずに返ってきた答えに思わず脱力する。

誘っているわけではないのだ。この方は。

しかし、好きな相手にこんなことをされてはどうしようもなくなってしまうことを、同じ

男ならわかって欲しい。

「俺、あんたの体好き。」

俺が一人ごちていると、そんな言葉がこぼされた。

急な告白に目をみはる。

そして、答えなどわかっている問いをあえてユーリにした。

「体だけですか?」

「違うよ!全部・・そのっ・・好きだけどっ!体も好きなのっ!」

慌てて訂正する様子が面白くて小さく笑った。

先程までの色香を纏った姿から一変して年相応の顔を見せるユーリが愛しかった。

「だから・・俺の体に口づけをくださるんですか?」

「うーん・・そうなのかな?あんたの体を見てるとしたくなるんだ。」

言いながらユーリはぺちぺちと俺の肩口に触れる。

「それなら、俺もユーリの体が好きですよ。」

「・・体だけ?」

言うユーリは悪戯を仕掛ける子どものような顔だ。

貴方も答えなどわかりきっているのでしょう?

「もちろん。俺はユーリの全てを愛しています。ユーリの体も好きなだけです。」

途端ユーリの頬が朱に染まる。

本当のことを言っているだけなのに、照れることはないでしょう?

耳まで真っ赤なユーリに思わず笑いそうになるのをこらえながら俺は続ける。

「貴方の瞳は美しい。吸い込まれそうなほど深い闇色の瞳。」

「や、やめろよ・・っ」

やめさせようと俺の肩を押し返してくる手を絡め取ってシーツに押さえ付けた。

一瞬怯えた色を浮かべたその漆黒の瞳にゾクリとしながら、今度は頬に口づけた。

「この頬が桜色に色付く様も俺は好きだよ。そして──」

と、紅く色付くユーリの唇に口づける。

唇を甘く噛むようにして、ユーリの反応を伺う。

ユーリはきつく瞳を閉じていて、頬は真っ赤だ。

その様子に俺は目を細め、さらに口づけを続ける。

「ふぅ・・・っん・・っ」

歯列を割って奥で縮こまる舌に自分のそれを絡めると、ユーリから甘い吐息が漏

れる。

気のすむまで存分に口づけを味わってから、ユーリを開放する。

ユーリは荒い呼吸を繰り返しながら力なくベッドに身を預けていた。

飲み込み切れなかったのであろう唾液がユーリの頬を伝う。

「ここも、とても甘い。」

「コン・・っ」

「綺麗だよ、ユーリ。」

押さえていた手を開放して、ユーリの髪に触れる。

「ユーリでなければこんなに綺麗ではなかった。」

「な、何言ってんの?あんた?」

恥ずかしいこと言うなっと顔をそむけられてしまった。

そんなユーリに微笑みをひとつ落として。

掠めるような口付けを送る。

「あーもうっ!さっきからちゅっちゅちゅっちゅと!犬みたいだなあんたはっ」

どうしようもなく赤くなってしまった顔を隠すためか、ユーリはがばっとシーツを被って

しまう。

そんな様子に思わず噴出すと、シーツから飛び出してきた白い脚に蹴られてしまった。

「ひどいなあ」

言いながらも、クスクスと笑うのをやめられない。

隠れてしまったユーリの顔の傍に腕をついて優しく囁く。

「俺が犬だったら、ユーリは俺のご主人様ですね。」

「・・また何を言い出すんだよー・・」

呆れた様子でユーリがひょっこりと顔を出した。

そんな表情も可愛らしくて、甘えるようにその顔に頬ずりをする。

「くすぐったいって!コンラッドっ・・・もーっ」

言いつつもユーリは本気で嫌がっているわけではないらしく、好きなようにさせて

くれる。

しばらくそうしているとユーリの手が優しく俺の髪を梳きはじめた。

その気持ちよさに俺は目を細める。

「ほんとに犬みたい。」

「こんな風にユーリに甘えられるのなら・・犬になるのも悪くないですね。」

「ばーか。何言ってんだよ。」

クスクスと耳元で笑うユーリの声が心地好い。

絶えず髪をすかれている感覚も心地好くて、唐突に抗い難い眠気が襲ってくるの

を感じる。

「コンラッド・・・寝ちゃったの?」

まだ起きていると言おうとする口は、ただ意味を成さない言葉を紡ぐばかり。

人前でなど眠れなかったはずなのに。

貴方の傍はひどく心地好いから。

「おやすみ、コンラッド。」

優しいキスが頬に落とされて、包み込まれるように貴方に抱きしめられる。

まだ貴方と一緒に話していたいけれど、このまま貴方の腕に抱かれて眠るという

甘美な誘惑に素直に従うことにする。

お返しに朝は俺が貴方にキスを送って起こしましょう。











世界一温かな存在に包まれながら、俺はゆっくりと意識を手放した。




















***
バカップル・・・!!
しかも山もなければいみもないしおちもないときたもんだ!!(爆)
個人的に、情事後の甘い雰囲気がとても好きです。
どっちもキス魔。













バカップルに10のお題 キス魔


2005.10.29

ブラウザバックでお戻り下さい



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送